アクティブリスニングという言葉をご存知ですか?
このアクティブリスニング、英語でコミュニケーションを取るにあたって、知っておくとスムーズにやり取りできるスキルです。
いま英語を学んでいる人、特に会話が苦手だな…と思っている人には、スムーズに英語での会話を続けるために役に立つスキルですし、それ以外にもこれから英語圏の大学へ進学したり、英語を使って仕事をしていく人には是非知っておいて欲しいスキルなので、この記事で詳しくシェアします。
Active listning アクティブリスニングって?
Active listeningという言葉、日本語では「積極的傾聴」と訳されます。アクティブリスニングとはこの日本語訳のとおり、「相手の言葉をすすんで傾聴する姿勢」のこと。アメリカの臨床心理学者が提唱したカウンセリング技法のひとつです。
笑顔・アイコンタクト・聞いている時の姿勢など”Non-Verbal Signs”(言葉を用いない仕草)を含め、質問や相手の言っていることを繰り返す・要約すると言った”Verbal Signs”がアクティブリスニングになります。
アクティブリスニングを練習すると英会話で活かせる?
英語、特に英会話を練習している人の中には、「相手の言っていることは分かるけど、返し方が分からない」とか「会話を弾ませるのが苦手…」という人がいるのではないでしょうか?
特に英会話クラスなどテキストブックなどがある状況ではなく、実際に誰かと英語で会話するときに「相手の言ったことに短い言葉で返したり、少し相づちを打ったり、うなずいたりするだけでコミュニケーションが終わってしまい、うまく話を続けられない」とか、「発展したコミュニケーションに持っていくことが難しい」という悩みを持っている人は多いのでは?
そんな人におすすめしたいのが、「アクティブリスニング」スキル、特にVerbal Signsを実践すること。
アクティブリスニングを知っておくと、まだ英語での会話に不慣れだったり英語で聞き取ることが少し難しくても、積極的に会話に加わってコミュニケーションを取ることができます。
ESL(英語を母語としない学習者)のクラスでも教えているスキル
わたしがこのアクティブリスニングという言葉を知ったのは、バンクーバーコミュニティーカレッジで英語を母国語としない移民者を対象にした英語クラスでした。
この英語クラスは将来カナダでカレッジなどに進み専門的なコースを学習したい人向けに組まれていて、レベル8を修了するとカナダのグレード12(高校3年生)相当の英語力があると見なされ、さまざまなカレッジコースへのドアが開かれるというもの。
(※大学のコースを履修するには、このレベル8では少し足りません。特例として認められたケースも有るようですが、University Pathwayなど他のクラスを履修するか、IELTS等別の試験で必要スコアを獲得する必要があります。)
このレベル8のクラスで、スピーキングとリスニングを鍛えるために教えているものの一つがアクティブリスニングでした。
英会話でのアクティブリスニング実践方法とは?
簡単にできるアクティブリスニングの方法を説明します。
①から④に行くに従って、より英語のスキルや知識が必要になります。いきなり④に挑戦するのは、英語を始めたばかりの人にとってはちょっと難しいかもしれませんので、まずは①からやってみてください。
※表情や傾聴する時の姿勢、うなずきなどに関しては、言語に関係なくやっていることだと思いますのでここでは割愛します。
アクティブリスニング実践方法① Repeating 繰り返す
まずはRepeating、「相手の言ったことを繰り返す」アクティブリスニングの方法です。
相手の文章をそのまま丸っとおうむ返しする訳ではなく(することもありますが)、数単語を抜き取って言うのでOK。
アクティブリスニング実践方法② Paraphrasing 言い換える
Paraphrasingは言い換えのことで、相手の言葉を自分なりの言葉に置き換えて話します。
たとえばこんな感じ。
I’ve got an offer for a management position and I was excited about it, but now I’m not so sure…
Oh, so you thought the job offer would be exciting but now you are having second thoughts?
アクティブリスニング実践方法③ Clarifying 明確化する
『Claryfing 明確化』では、相手に「自分はこう理解したんだけど、合っているよね?」と聞いて確認したり、「例を挙げてもらえますか?」と具体例をあげてもらって確認したりします。
・Let me see if I get it right. ・What you are saying is that~~, is this correct?
・Can you give me an example of that?
・Would you further describe that?
フォローアップや、さらに情報を引き出すための質問も、これで自然にできますね。
アクティブリスニング実践方法④ Summarising 要約する
SummarisingはClarifyingにちょっと似ていますが、Clarifyingでは例を挙げてもらったりして深堀するのに対して、Summarisingでは「つまりは〜〜ですよね」と話されているトピックを正確かく完結にまとめます。
・I think the main idea here is…
・Let me summarise to check my understanding.
アクティブリスニングは会話を弾ませること以外にも役に立つ!
アクティブリスニングを、英会話で会話を続かせることが苦手な人におすすめのスキルとして説明してきましたが、実際に仕事で役に立つスキルでもあります。
カナダのホテルで働いていて、業務提携先やゲストから電話がかかってきた時に特に役に立ったのが③のClarifyingと④のSummarisingです。
電話対応、特に母国語以外で相手の顔が見えない状態で話すのは、慣れるまではなかなか大変。相手が早口だったり、アクセントが強かったりするとかなり困難…
ですが、聞き取れた情報からclarifyingとsummarisingをすることで、多少は円滑なコミュニケーションが図れますし、ミスが防ぐのにも有効です。
わたしはアクティブリスニングについて詳しく知る前にホテルで働いていましたが、電話業務の時には自然にこのスキルを使ってコミュニケーションに役立てていました。
まとめ
アクティブリスニングは、英語学習だけでなくどの言語学習でも使えるスキルですし、実際の生活・仕事で使える場面が多く、コミュニケーションを円滑に図るためにも役に立ちます。
英語で言い換えたり要約したりがまだ難しい方は、まずは相手の言ったことを「繰り返す」ことから、だんだん慣れてきたらアクティブリスニングのほかの方法にも挑戦してみてください。
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