カナダで永住権を取ると、移民者として生活を安定させるためのサポートが受けられます。
そのなかで、英語を第二言語として扱う人のためにチェックしておきたいのがLINCプログラムですが、バンクーバーのコミュニティーカレッジではもうひとつ、ESL Pathwaysという英語学習プログラムを提供してくれています。
今日はこのLINCとESL Pathwaysについて、受けるならどちらがよいか、それぞれの特徴を紹介してみます。
移民に優しいカナダ
カナダと言えば移民の国、いろいろな文化背景の人が暮らしている多文化・多様性の国という印象を持っている人は多いかと思います。
この移民の中にはいろいろな理由でカナダに住むことになった人がいるわけですが、英語圏以外から移民してきた人が最初にぶちあたるであろうものが、言葉の壁。特に難民として移住せざるを得なかった人など、厳しい状況からカナダに移り住んだ人は、この言葉の壁は大変なことがあると想像します。
カナダでは、移民に対してサポートを提供してくれていて、この英語(地域によってはフランス語)の習得もサポートを受けることができます。
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LINCとESL Pathways
バンクーバーコミュニティーカレッジで受けられるESLプログラムは大きく分けて二つあり、それがLINCとPathwaysです。
ざっくり説明すると、LINCはSettlement(定住)するためのもの、Pathwaysは今後カナダで大学やカレッジなどのPost secondary educationを受けたい人向けに組まれています。
LINCで教えてくれる内容
LINCでは英語を学習するとともに、カナダで新しく生活をするにあたって必要な情報(コミュニティーで提供しているサービス、仕事を探すにあたってのサポートやレジュメなどの書き方、カナダの歴史)を学ぶことができます。
読み書き・聞く話すをLINCで包括的にカバーする内容のようです。(実はまだ、Waiting listにいた状態でCOVID-19によるLINCオフィス一時閉鎖になってしまったので、実際のクラスを受けられていません…。)
特に「今後、カナダの市民権を取ることを考えている人には、カナダの歴史を学ぶいい機会になるからおすすめ」と、わたしが説明を聞きに行ったときに対応してくれた人が教えてくれました。市民権を取るにはテストがあるので、カナダの歴史を知っておく必要があるからですね。
カナダの歴史って、長く住んでても意外と知らないものです。イギリスからの入植や、カナダの先住民の人の歴史など、自分で調べないとあまり触れる機会がないので、これからずっとお世話になる国のことをいろいろ知っておくことは必要だと思います。
LINCプログラムの申し込み方法やクラス振り分け用のアセスメントに関しては、去年のものになりますが詳しく書いた記事がありますので、こちらを参考にしてください。
ESL Pathwaysで学ぶこと
一方でESL Pathways。
こちらは”Pathways”という名前の通り、後で大学やカレッジなどのコースに進みたい人を主な対象にしています。(もちろんわたしのように「とりあえず英語勉強したいし受けておく」ひとも若干名います。)
RW(Reading and Writing: 読み書き)とLS(Listening and Speaking: 聞く話す)の2コースに分かれていて、LINCのアセスメントを使ってESL Pathwaysにも入学することができます。
7-9月の夏期休暇期間中を除いた期間開催されていて、1月・4月・10月始まりで3ヶ月1タームになっています。3ヶ月中にRWとLS両方受けてもいいし(フルタイム)、どちらか片方だけ(パートタイム)の受講も可能。
フルタイムの場合は、バンクーバーで公立のセカンダリースクールに通う学生が利用できる『U-Pass』という格安のバスパス(公共交通機関の定期券みたいなもの)が利用できます。
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ESL Pathwaysについて詳しく
LINCが移民者のみに向けたサービスなのに対して、バンクーバーコミュニティーカレッジのESL PathwaysはPR保持者で無くても入学ができるそうです。(これから永住権を狙っているという人たちも一緒に受講していました。が、永住権保持者でないと授業料がかかるようです。)
というわけで、PathwaysはもちろんLINCのアセスメント結果がなくても、バンクーバーコミュニティーカレッジでの振り分け試験を受ければ自分のレベルに合わせたところへ入学できます。
ESL Pathwaysは課題が多い?
ESL Pathwaysでは週に1-2回課題提出やアセスメントがあり、全体で70%以上のスコアを取れば無事にクリアです。(レベル8より下のレベルだと、アセスメントはもしかしたら少ないかもしれません。受講したことが無いので分からずすみません…。)
今後カナダでカレッジに行きたいひとが狙うべきはPathwaysの8レベルです。これはカナダのGrade 12(高校3年生)の英語レベルと同等と見なされ、多くのカレッジの門が開かれるレベルだからです。※カレッジではなく大学に進学を希望する場合、Pathways8でも入学要項を満たさない場合があります。希望の大学の要項を確認してください。
ESL Pathwaysで勉強できること
Pathwaysで学ぶことはおもに、フォーマル・アカデミックなライティングやスピーキングに必要なボキャブラリー、スキルがメインです。自分でリサーチしてショートエッセイを書いたりして、実際にカレッジ等のポストセカンダリースクールに行った場合にかなり役に立つ実地のスキルが身に付きます。
おそらくLINCほどではありませんが、多少カナダの歴史について触れる機会もありました。ライティング課題のひとつに『First Nation』(カナダの先住民族)についての800-1000ワードほどのショートエッセイライティングがあり、カナダの歴史について自分から進んで調べ、詳しく知るいいきっかけになりました。
実際にわたしがライティング課題で提出したエッセイをひとつpdfで上げておきますので、もし今後このPathwaysプログラムを受講したいと考えているひとがいましたら参考にしてください。
いま読み返すと高校生が書いたみたいな感じがして大人が書いたにしてはちょっと恥ずかしいですが…一応これで22.00/24.00のスコアだったのでOKなラインかと思います(汗)。
トピックに沿った内容になっていること、規定の単語数に達していること、論点が筋道立てて論じられているかはもちろん必須ですが、単語選びの違和感が無いか、文法は正しいか、ある程度複雑なセンテンスになっているかなどが加点・減点の対象になります。
まとめ
LINCは英語を学びながらカナダでの新生活に必要な情報を知ることができるクラス。ESL Pathwaysはこれからカレッジなどでなにか学びたいことがある人におすすめのプログラムです。
カナダに移民したけどどうやって英語を勉強すればいいか悩んでいるひと、これからカナダ移民を考えているひとの参考になればと思います。
ではまたっ!!
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