移民を積極的に受け入れている国カナダでは、新移民となるとカナダでの新生活を問題なく始められるように住居・就労・語学面などでサポートを受けることができます。難民など厳しい状況からカナダに移民した方達はもちろん、コモンローや結婚などのファミリークラスでカナダへ移住した人でもこのサポートが利用できます。
というわけでカナダでPR(永住者)ステータスとなって早速、この語学面でのサポートサービスであるLINC (Language Instruction for Newcomers to Canada) を受けるのに必要なアセスメントを受けてきましたので、その内容をシェアします。
そもそもLINCとは
上に書いたように、LINCとはLanguage Instruction for Newcomers to Canadaの略。
新しくカナダに移民した人のための語学学校です。Vancouver Community CollegeやDouglas Collegeと言った公立のカレッジでもクラスが開講されていいます。
クラスのレベルは1~8までとなっていて、レベルと開催場所によりますがフルタイムとパートタイムでの受講が選べます。
クラスの内容は、ローカルコミュニティーの情報やレジュメなどの書き方を含めた仕事探しのサポート、カナダの歴史に関してを、英語のレベルアップを図りつつ学んでいくものです。
LINCを受講するには
1. レベル分けのためのテストを予約
2. テストを受ける
3. テスト結果を受け取る
4. 結果を持ってクラスに登録
ざっとこんな感じです。
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カレッジ等の進学希望者はESL Pathwaysが選択可能
LINCがカナダでの新生活をスタートするのにあたってのサービスなのに対して、カレッジなどポストセカンダリースクールに通いたい場合はバンクーバーコミュニティーカレッジで開催されているESL Pathwaysの受講がおすすめです。
永住権所持者でなくても受講することができ(PR保持者以外は授業料がかかります)、レベル8をクリアすると、公立を含めさまざまなカレッジのコースへ入学するための英語力があるという証明になります。(グレード12と同等程度と見なされる。)
実際にわたしも受講していましたので、別記事にLINCとESL Pathwaysの違いをまとめました。
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レベル分けテストの受け方
LINC用の申し込み用紙に必要事項を記入して、それをその他必要なものと一緒にAssessment and Referral Centreに持って行けばOKです。Assessment and Referral Centreはバンクーバー市内のほか各所にあります。
バンクーバーでアセスメントを受けられる場所
わたしが行ってきたのは、コマーシャルドライブにあるWestern ESL Servicesというところ。
2階にあがるとすぐに受付のお姉さんが「今日はどうしたの?」と訊いてくれたので、「新移民用の無料のESLがあるって聞いたから申込みたいんだけど」と伝え、すぐにその場でテストを受けることになりました。
Western ESL Services LINC Assessment and Referral Centre
Address: 208 – 2525 Commercial Drive, Vancouver, BC V5N 4C1
Tel: 604-876-5756 Fax: 604-876-0134
LINCアセスメントは電話予約も可能
今回わたしは審査してくれる人にちょうど空きがあったようで、再度出向かずその日にテストを受けることができました。
直接出向かなくても電話でもテストの予約は出来るようです。わたしがテスト開始を待っている間にも、テスト日時を予約するための電話がかかってきている様子でした。
必要なもの
テストを受けるために必要なものは、前述の申込書とPRカードまたはConfirmation of Permanent Residenceの紙。
LINCのサイトには「コピー持ってこい」と書いてありますが、そのまま丸っと持って行けば受付でコピーを取ってもらえます。
なんなら申込書も自分で印刷してもって行かなくても、受付に大量に用意してありました。親切!
実際のテスト内容
レベル分けアセスメントテストのトータル所用時間は90分弱。
Speaking・Listening・Writing・Readingの順で行われました。
Speaking
なんというか、感想としては審査する人とダベっただけです。
出身や今までの職業(カナダと日本)、どのくらいカナダにいるのか、今までに英語をどう勉強してきたかなど。わたしの場合はオーストラリアでのワーキングホリデーで語学学校に通ったのでその話もしました。
そのあとに番号が8まで振ってある写真を見せられて、その写真の人がなにをしてるのか説明。
わたしの場合は「男性がお店でケトルを買って家に帰って使ったら速攻壊れ、お店に返品しに行って返金を受ける」写真でした。
Listening
Speakingの時と同じ人が続けて審査してくれます。
数分間の音声を小分けにして再生して止めて、その都度音声が何を言っていたかを答えるテストです。
聞き取れていても、結構長いので答えるまでにあやふやに…笑。
音声ときっちり同じ単語を使わなくても、意味が合っていれば大丈夫っぽいです。
Writing
Writingは30分で3項目あって
1. 住所の書き写し
2. 今までの人生であった出来事(なにかのアニバーサリーや卒業などなど)について一つ、6~7センテンスで書く
3. 厳しい教師とフレンドリーな教師、どちらが子どもにとってもっとも助けとなるかを自分の経験も踏まえてショートエッセイ(大きめの文字で書いてA4の紙2枚分弱程度)
1に関しては読み書きが出来ることの確認のようです。LINCを利用する人の中には難民の方もいて読み書きが難しいことがあるのでしょう。
2はそのイベントについて、いつ、どこで、誰と一緒で、どのように感じたかなどを書くようになっていました。
3は過去にIELTSを受験していたので打っ付け本番でもサッとできましたが、ショートエッセイが初めてだったらちょっと苦戦したかもしれません。
コツは起承転結をさっと考えること。
今回わたしのお題の場合なら、「自分はどちらの教師が良いと思う→なぜそう思うのか→自分の体験談で例を書く→自分が良いと思わない方の教師だったら子どもはどう感じるか→まとめ」というような流れに乗って書いていけばOKかと思います。
Reading
こちらも制限時間は30分。
最初は本当に簡単な絵を見てそれがなにか単語を選ぶものから始まり、短い文章問題と中くらいのボリュームの文章読解、最後は長文読解で終わり。
長文読解の内容は環境問題についてで『沈黙の春』の引用もありつつ面白い内容でした。
大学受験センター試験の長文読解を簡単にした感じです。
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テストが終わったら
Readingの解答用紙を提出し、「結果は1週間くらいで郵送するから、今日はこれでおしまいだよ〜」ということで帰宅。そこは何ならemailしてくれれば紙も無駄にならなくて良くないかい…?と思ったりもしつつ帰ってきました。
LINCは無料のサービスということで利用者が多く、自分のレベル・行きたい学校によってはWaiting Listに入れられてしばらく待つことになるようです。
さてさて、結果が送られてくるまでおとなしく待ちたいと思います。
追記: 結果が送られてきました!
先週金曜日にアセスメントテストを受けたわけですが、月曜日に家に帰ってきたら既に結果が入った封筒が郵送されていました!
一週間くらいかかるって言ってたのに早いぞ!カナダのくせに早い!
早速封筒をあけまして、気になる結果は…
Recommended Placement: LINC8 (Listening:7 Speaking:7 Writing:7 Reading:8)
でありました。これ、8が一番上のスコアなのですが、全部8だと「英語のクラス受ける必要ないでしょ」ってことでLINCクラスには入れてもらえないような事を聞きましたのでご注意ください…。
アセスメントの結果と一緒に、自分のレベルのクラスが開講されているリストも郵送してくれました。
LINC 8のクラスはバンクーバー周辺だとISS of BCとVancouver Community Collegeで開講されているようですが、残念ながらフルタイムのクラスは無し…
まあ、仕事もあるしちょうどいいかな?クラス自体は無料ですが、VCCだとU-Pass(電車やバスに学生料金で乗れる)が取得できるようです。ただ、Student Union(日本でいう学生生協ですかね???)の料金を支払わなければいけない模様…。
急ぐことでもないので、ゆっくり学校決めたいと思います。
追記その2: 早速VCCへレジスターに行ってきました
アセスメントの結果を受けて、翌日にはVCCへクラスの受講登録へ。
が。
一番上のクラスだし、そんなに人数もいないのでは?と考えていたのが甘かった!
平日月曜〜木曜までのクラスと土曜日だけのクラスが選べたのですが、どちらもウェイティングリストがものすごく長い!
受付のお姉さんと一緒に苦笑してしまいました💧
VCCでのクラスは1月・4月・9月に始まるので次回は9月なのですが、長過ぎるウェイティングリストのせいでわたしが受講できるのは来年1月になる見通しです。それでも、「空きが出たら電話するから〜」とは言ってくれたのですが…。
バンクーバーコミュニティーカレッジでは、LINCのほかにESL Pathwaysという、今後カレッジなどに行ってなにか専門的なことを学びたいひとのための英語クラスも開催しています。
別記事で記載していますので、興味のある人は読んでみてくださいね!
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